第1 契約書案チェックの必要性
企業が他の企業ないし個人と取引関係に立つ場合、契約書を交わすことは日常茶飯事と言っても過言ではありません。
他者と契約を交わす場合、当該契約のための契約書案は、自社で用意することもあるでしょうし、それとは反対に、取引相手が用意することもあるでしょう。前者の場合には、契約書案の作成が必要となりますし、後者の場合、契約書案のリーガルチェックが必要となります。
契約書案を作成する場合にしろ、リーガルチェックする場合にしろ、当該案を元に契約が締結された場合には、両当事者はその文書に書かれた合意内容に拘束されることになるのですから、慎重に行わなければなりません。
第2 チェックの具体的な対象
まず第一に、契約書上の言葉の意味や解釈について、後日なるべく争いを起こさないために、その内容は明確に紛れがないように定めなければなりません。
また、第二に、後日争いが生じてしまった場合には、それを元に、相手企業に対して、自らの要求を通していく必要があるのですから、その契約上、自らにどのような権利が認められ、また、逆にどのような義務が課されてしまうのかを明確に把握していなければなりません。契約書を交わしたはいいが、それによって生じる権利義務を正確に把握していないというのは論外の状況です。
契約書は、契約類型ごとにひな形を利用できることがあります。しかしながら、当該ひな形を漫然と使用して、思いもよらない義務を負ってしまったり、利用したいときに自らの権利を行使できなかったりするといったことが往々にしてあります。
企業法務につきましては、以下の項目もご参照ください。