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日本会社・企業のための韓国法法律相談 【短期消滅時効について・韓国民法(時効)4】

※注意事項 下記のQAを作成した時期により、既に法令や判例が改正・変更されていることもありますので、実際の事案に下記QAを利用する時には必ず当事務所にご相談ください。下記情報を利用した結果についていかなる責任も負うことは出来ませんので、その点ご了承のうえ利用して下さい。

今回の話題は、日本と韓国における債権の消滅時効に関する話です。

日本でも韓国でも債権の消滅時効期間は10年です(日本民法167条1項、韓国民法162条1項)。また、商事債権(商行為によって生じた債権)の消滅時効期間は、日本も韓国も5年です(日本商法522条、韓国商法64条)。ここまでは日本も韓国も消滅時効期間に関して違いはありませんが、両国とも短期消滅時効という制度を定めており、これについて多少食い違うところがあります。大体似てはいるのですが、異なった消滅時効期間を採用している場面もあるので、この点に注意して対応しなければなりません。日本法と韓国法のどちらが準拠法になるかによって消滅時効の成否が決まることもあって非常に切実な問題となることもあります。

以下に韓国の民法と日本の民法で短期消滅時効に関して規定している条文をそれぞれ列記しておきます。特に韓国民法163条6号と日本民法173条1号の商人が売却した商品の代価に係る債権(いわゆる売掛金債権)について、消滅時効が韓国の場合は3年ですが、日本の場合は2年となっていますので、十分注意しなければなりません。その他個々の問題については後日機会があったらまたご説明します。

(1)韓国民法上3年の短期消滅時効にかかるとされている債権(韓国民法163条)

①利子、扶養料、給料、使用料その他1年以内の期間で定めた金銭または物件の支給を目的とする債権

②医師、助産師、看護師及び薬剤師の治療、勤労及び調剤に関する債権

③請負人、技師その他工事の設計または監督に従事する者の工事に関する債権

④弁護士、弁理士、公証人、公認会計士及び法務士に対する職務上保管する書類の返還を請求する債権

⑤弁護士、弁理士、公証人、公認会計士及び法務士の職務に関する債権

⑥生産者及び商人が販売した生産物及び商品の代価

⑦手工業者及び製造者の業務に関する債権

(2)韓国民法上1年の短期消滅時効にかかるとされている債権(同法164条)

①旅館、飲食店、貸席、娯楽場の宿泊料、飲食料、貸席料、入場料、消費物の代価及び立替金の債権

②衣服、寝具、葬具その他動産の使用料の債権

③労役人、演芸人の賃金及びそれに供給した物件の代金債権

④学生及び修業者の教育、衣食及び留宿に関する校主、塾主、教師の債権

(3)日本民法上5年の短期消滅時効にかかるとされている債権(日本民法169条)

年またはこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権

(4)日本民法上3年の短期消滅時効にかかるとされている債権(同法170条、171条)

 ①医師、助産師または薬剤師の診療、助産または調剤に関する債権

 ②工事の設計、施工または監理を業とする者の工事に関する債権

 ③弁護士または弁護士法人、公証人の職務に関して受け取った書類に関する返還債務

(5)日本民法上2年の短期消滅時効にかかるとされている債権(同法172条、173条)

 ①弁護士、弁護士法人、公証人の職務に関する債権

 ②生産者、卸売商人または小売商人が売却した産物または商品の代価に係る債権

③自己の技能を用い、注文を受けて、物を制作し、または自己の仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権

④学芸または技能の教育を行う者が生徒の教育、衣食または寄宿の代価について有する債権

(6)日本民法上1年の短期消滅時効にかかる債権(同法174条)

 ①月またはこれにより短い時期によって定めた使用人の給料に係る債権

②自己の労力の提供または演芸を業とする者の報酬またはその供給した物の代価に係る債権

 ③運送賃に係る債権

④旅館、料理店、飲食店、貸席または娯楽場の宿泊料、飲食料、席料、入場料、消費物の代価または立替金に係る債権

 ⑤動産の損料に係る債権

(記述 弁護士高初輔)

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