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日本会社・企業のための韓国法法律相談2 抵当権の物上代位と賃料債権【企業間商取引法2】

※注意事項 下記の韓国法法律情報を作成した時期により、既に法令や判例が改正・変更されていることもありますので、実際の事案に下記韓国法律情報を利用する時には必ず当事務所にご相談ください。下記情報を利用した結果についていかなる責任も負うことは出来ませんので、その点ご了承のうえ利用して下さい。
 
A氏  この度当社の取引先の韓国企業(韓国所在)が、当社が納入した商品の代金をまだ払ってくれません。そのことで相談したいです。
 
B弁  担保としては何をとっていますか。
 
A氏  継続的取引関係にあるため、担保として韓国所在の取引先所有のビルに根抵当権を設定してもらっています。そのビルは事務所ビルでソウルにあって、取引先はこれを賃貸に出している状態です。この賃料に対し抵当権に基づいて差押をすることはできませんか?
 
B弁  日本では、このようなケースで物件に対し抵当権を実行する、つまり競売申立をするという手段とともに、所有者・設定者の賃借人に対する賃料債権に対して抵当権の物上代位でかかっていくことがしばしば行われています。しかし、韓国では賃料債権に対して抵当権に基づく物上代位はできないものと解釈されています。というのは、物上代位の根拠規定は、韓国民法342条の質権について認められている物上代位の規定が同370条の準用規定で抵当権にも準用されているのですが、この342条の文言は次のようになっています。
 つまり、「質権は質物の滅失、毀損または公用徴収により質権設定者が受けるべき金銭、その他物件に対してもこれを行使することができる。この場合にはその支給または引渡し前に押留(※筆者注:「差押」のこと)しなければならない」と規定されております。これは、日本民法304条(この規定が日本民法372条により抵当権に準用され、抵当権に基づく物上代位の根拠規定とされています)の「先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失または損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる」という規定ぶりとは明らかに異なります。そこで、韓国では判例、学説ともに賃料には物上代位できないというのが定説になっています。したがって貴社の場合、この物件に関していえば、抵当権を実行して競売の申立をするほかないでしょう。
(2013.2.5 記述 弁護士髙初輔)

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