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〈Q4〉
在日韓国人(韓国籍)の父が亡くなりました。何親等までの人が相続人となり得るのですか。
〈A4〉
韓国の相続法では、相続人の順位は次のように定められています(民法1000条1項)。
第1順位 被相続人の直系卑属
第2順位 被相続人の直系尊属
第3順位 被相続人の兄弟姉妹
第4順位 被相続人の4寸以内の傍系血族
第4順位の4寸以内の傍系血族というのは、簡単にいうと「いとこ」のことです。したがって、韓国法の相続では、いとこまでが相続権者として認められています。いとこまでといっても、いとこが相続権を取得するのは自分より先順位の人が1人もいない場合です。すなわち、具体的には第1順位から第2順位、第3順位の人たちがすべて相続を放棄し、かつ被相続人に配偶者がいる時にはその配偶者も相続放棄した場合に初めていとこが相続人になります。逆にいうと、配偶者と第3順位までの相続人が全部相続放棄をした時には、いとこも相続放棄をしないと被相続人の借金を相続することになってしまうということですので、注意して下さい。相続放棄については、後に説明する機会もあると思いますが、とりあえずは韓国民法1019条に、相続放棄の期間は相続開始があったことを知った日から3ヵ月以内にしなければならないものと規定されており、原則として3ヵ月以内に手続をしなければならないのだということに注意してください。
(2012.12.14 弁護士高初輔 記述)