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日韓をめぐる家族法(婚姻・離婚・親子・親権・相続)法律相談 【韓国法相続親族11】

※注意事項  下記の法律相談を作成した時期により、既に法令や判例が改正・変更されていることもありますので、実際の事案に下記法律相談を利用する時には必ず当事務所 にご相談ください。下記情報を利用した結果についていかなる責任も負うことは出来ませんので、その点ご了承のうえ利用して下さい。

A:相談者・在日韓国人

B:弁護士

Q:日本の民法と韓国の民法で嫡出子や嫡出推定及び嫡出否認の訴えについてどのような違いがありますか?

A: つい最近(2014年7月17日)、日本の最高裁判所において嫡出推定(韓国民法では「親生子推定」と言います)とDNA鑑定に関する判決が出されましたが、この最高裁判決のポイントは、法律上(日本民法772条、韓国民法844条)、嫡出子と推定される子について、DNA鑑定上、夫の子ではないことが明らかな場合にも嫡出推定は及ぶのかという問題です。及ぶとすれば、その場合も嫡出否認の訴えによらなければ嫡出推定を受ける子と夫との親子関係を否定できないということになります。これについて、従前から、妻が妊娠した時に客観的に夫が完全に別居状態にあったり、あるいは極端な時には夫が刑務所に入っていたりして夫の子を懐胎することがあり得ないという場合には、772条の嫡出推定が及ばない子として取り扱われます。つまり、嫡出否認の訴えによらないで、親子関係不存在確認の訴えによって、親子関係を否認することが出来ます。基本的には誰でもいつでも利害関係がある限り、この親子関係不存在確認の訴えをすることが出来るとされてきました。このように完全な別居状態の継続という事情のほか、DNA鑑定により「99.99%」他の男性の子であることが証明されている場合にも、このような完全別居状態の継続と同様に772条の嫡出推定を破って、例外として嫡出推定の及ばない子として親子関係不存在確認の訴えによってその親子関係を否認することが出来るかという問題が提起されたわけです。

結論的に、最高裁判所はこれに対してDNA鑑定によるそのような証明をもって客観的な完全別居状態と同様に推定を破る例外とは認めませんでした。したがって、DNA鑑定だけでは足りず、やはり嫡出否認の訴えによらなければその親子関係を否認することは出来ないこととなるわけです。以下に、韓国と日本では嫡出否認の訴えについてどのように取り扱われているか、表でまとめておきました。

 

日本民法

韓国民法

嫡出推定

(親生子推定)

772条

844条

嫡出否認

(親生否認)

774条

否認権者:夫

846条

否認権者:夫婦の一方

嫡出否認の訴え

(親生否認の訴)

775条

提訴権者:夫

相手方:子または母

847条1項

提訴権者:夫または妻

相手方:他の一方または子供

出訴期間

777条

出生を知った時から1年以内

847条1項

否認事由があることを知った日から2年以内

これで分かるとおり、日本では嫡出否認の訴えを起こせるのは夫(提訴権者)だけであり、出訴期間は子供の出生を受けた時から1年以内とされています。しかし、韓国の場合には夫、または妻にも嫡出否認の訴えの逓送権が認められており、その提訴期間は嫡出否認事由があることを知った日から2年以内とされています。日韓では以上のような違いがあり、日本より韓国の方が嫡出否認の訴(親生子否認の訴)が認められない範囲が広くなっています。

(記述 弁護士高初輔)

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