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韓国会社・企業、外国企業のための日本法法律相談13 手形貸付で満期白地手形を徴求することの可否【銀行金融機関取引法11】

※注意事項 下記のQAを作成した時期により、既に法令や判例が改正・変更されていることもありますので、実際の事案に下記QAを利用する時には必ず当事務所にご相談ください。下記情報を利用した結果についていかなる責任も負うことは出来ませんので、その点ご了承のうえ利用して下さい。
 
A氏 外国銀行東京支店の職員
B弁 同社顧問弁護士
 
A氏  貸付期間1年間の手形貸付において、先取利息については、貸付期間1年分の利息を全部先取せずに、1ヵ月ごとに分割支払(先払い)をしてもらう場合、手形の支払期日は白地にしておいた方が良いと思いますが、どうでしょうか。
 
 B弁 一般に、手形貸付においては手形期間に相当する利息を先取します。しかし、取引先の事情によって手形期間は1年間であるのに利息だけは1ヵ月ごとに分割支払するという方法をとることもあり得ます。
 この場合の問題点は、手形の支払期日が到来する前に、取引先が1ヶ月ごとの利息の支払を遅滞した場合、銀行としては手形自体をもって裁判上の請求をすることは出来ないということです。なぜなら、手形の支払期日が1年後とされている以上、その支払期日が到来しない限り手形金請求訴訟は不可能だからです(もちろん金銭消費貸借契約に基づく貸金請求訴訟は出来ます)。
 そこで、上記のようなケースにおいて、手形期間を1年間とする支払期日が記載してある場合は、手形訴訟による手形金請求が出来ないという不利益を受けます。この場合、支払期日を白地にした上で取引先から白地補充権を銀行に授与する旨の念書を徴求しておけば、1ヵ月ごとの利息の支払を怠ったときに白地を補充して手形訴訟による請求をすることが出来ます。このような点を考慮すれば銀行として有利な方法は支払期日を白地にしておくことです。支払期日を白地とする手形も有効な手形ですから、このような手形を徴求することについては基本的には問題ありません。
 但し、一般に銀行取引において、銀行が白地手形を徴求することが少ないこと、その理由は、補充権に関する争いを防ぐためであることなどを考慮すると、白地手形を徴求することはできるだけ避けた方が良いのですが、この点の争いを未然に防止するための補充権に関する適切な念書を差し入れてもらえば特に問題はないでしょう。また、そもそも先取利息の分割支払という方法は取引先の要望に合わせたものですから(本来は手形期間全額の利息を先取する)、上記のような念書を取ることも特に問題はないと思われます。なお、支払期日を白地にすることの問題点は、手形貸付の弁済期が不明確になるという点にありますから、当該手形貸付の弁済期及び支払方法について別紙で合意書を作成すべきです。
 また、貸付期間の1年が到来し、更新するときは毎回新しい手形を徴求すべきことは言うまでもありません。

(記述 弁護士髙初輔)

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