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韓国会社・企業、外国企業のための日本法法律相談11 実印と銀行取引印について【銀行金融機関取引法10】

※注意事項 下記のQAを作成した時期により、既に法令や判例が改正・変更されていることもありますので、実際の事案に下記QAを利用する時には必ず当事務所にご相談ください。下記情報を利用した結果についていかなる責任も負うことは出来ませんので、その点ご了承のうえ利用して下さい。
 

A氏:外国銀行東京支店の職員
B弁:同社顧問弁護士

A氏   取引先から当支店に当座勘定取引印の届出がある場合に、実印を当座勘定取引に使用しても良いですか。

B弁
(1)実印と取引印
実印とは公的機関に届出をした印鑑のことであり、これについては印鑑証明書がとれます(個人の場合は市役所、区役所、法人の場合は法務局)。従って、実印は本人確認を必要とする取引について有効な確認手段となります(もちろん絶対ではありませんが)。
取引印とは通常の継続的な銀行取引において取引先が頻繁に使用する印鑑を取引用印鑑として届出た印鑑のことです。取引印の届出がある場合には、銀行は本人確認の方法として、印鑑紙に押印されている印影と各種契約書、払戻請求書、手形小切手に押印されている印影が同一であるか否かを確認する必要があります。実印とは別に取引印の届出がなされ、印鑑届には「当社が貴行との当座勘定取引ならびにその他の諸取引に使用する代表者の印鑑」と記載されているのですから、これらの書類には取引印を押してもらうべきです。たとえ実印が押印されていても、原則として本人確認が出来ていないものとして処理しなければなりません。
なお、次のような判例がありますので参考にして下さい。これは当座勘定取引において届出印ではない実印を使用して偽造された手形小切手の支払をした銀行に過失があるとされた事件です。この事件の判決要旨は次のとおりです。
「銀行は、当座勘定取引契約において取引印として届出られていない実印を用いて振り出された手形・小切手を支払うにあたっては、当該実印が右契約の締結及び取引印の届出に際して使用されていたとしても、取引先に対し支払委託の有無を確認すべき注意義務があり、これを尽くすことなく偽造手形・偽造小切手の支払をしたときは、過失の責を免れない」(最高裁判決昭和58年4月7日)。

(2)実印を使用する場合と取引印を使用する場合
銀行取引約定書、当座勘定取引契約書のような基本契約書には実印を使用し、印鑑証明書を徴求します。印鑑届はこれらの基本契約を前提とする届出であり、これらの基本契約書を作成する段階においては取引印の届出はないものとして処理すべきだからです。
上記のような基本契約書以外の書類、例えば払戻請求書、借入申込書や手形小切手などについては全て取引印を使用すべきです。

(3)以上の処理は法人でも個人でも同じです。

(記述 弁護士髙初輔)

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