Loading

ブログ

弁護士による韓国法律情報 【韓国著作権法3】

※注意事項

下記の韓国法律情報を作成した時期により、既に法令や判例が改正・変更されていることもありますので、実際の事案に下記韓国法律情報を利用する時には必ず当事務所にご相談ください。下記情報を利用した結果についていかなる責任も負うことは出来ませんので、その点ご了承のうえ利用して下さい。

– – –

2009年4月22日法律第9625号によって現行著作権法が一部改正され、2009年7月23日から施行される予定となっています。

今回はその改正内容の一部をお伝えします。

まず、今回の改正の主要な内容は次のとおりです。

1.「著作権法」と「コンピュータープログラム保護法」を統合すること(第2条第34号の新設等)。

2.コンピュータープログラム著作物に対する特例を設けること(第101条の2から第101条の7まで新設)。

3.韓国著作権委員会を設立すること(第112条及び第112条の2)。

4.オンライン上の不法複製を防止する対策を強化すること(第133条の2及び第133条の3新設)。

以上が今回の改正における主要なポイントですが、このうち今回は上記4に関する条文並びに罰則に関する条文を翻訳しておきます。

第133条の2(情報通信網を通じた不法複製物等の削除命令等)

①文化体育観光部長官は、情報通信網を通じて著作権やその他の本法により保護される権利を侵害する複製物または情報、技術的保護措置を無力にするプログラム又は情報(以下“不法複製物等”という)が伝送される場合に委員会の審議を経て大統領令に定めるところによりオンラインサービス提供者に次の各号の措置をすることを命ずることができる。

1.不法複製物等の複製・伝送者に対する警告

2.不法複製物等の削除又は伝送中断

②文化体育観光部長官は、第1項第1号による警告を3回以上受けた複製・伝送者が不法複製物等を伝送した場合に委員会の審議を経て大統領令に定めるところによりオンラインサービス提供者に6ヶ月以内に期間を定めて該当複製・伝送者の勘定[オンラインサービス提供者が利用者を識別・管理するために使用する利用権限勘定(Eメール付与勘定は除く)を言い、該当オンラインサービス提供者が付与した他の勘定を含む]を停止することを命ずることができる。

③第2項による命令を受けたオンラインサービス提供者は、該当複製・伝送者の勘定を停止する7日前に大統領令で定めるところにより該当勘定が停止されるという事実を該当複製・伝送者に通知しなければならない。

④文化体育観光部長官は、オンラインサービス提供者の情報通信網に開設された掲示板(「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律」第2条第1項第9号の掲示板中、商業的利益または利用便宜を提供する掲示板をいう。以下同じ。)中、第1項第2号による命令が3回以上出された掲示板として該当掲示板の形態、掲示される複製物の量や性格等に照らして該当掲示板が著作権等の利用秩序を深刻に毀損すると判断される場合には、委員会の審議を経て、大統領令で定めるところによりオンラインサービス提供者に6ヶ月以内の期間を定めて該当掲示板サービスの全部または一部の停止を命ずることができる。

⑤第4項による命令を受けたオンラインサービス提供者は、該当掲示板のサービスを停止する10日前から大統領令で定めるところにより該当掲示板のサービスが停止されるという事実を該当オンラインサービス提供者のインターネットホームページ及び該当掲示板に掲示しなければならない。

⑥オンラインサービス提供者は、第1項による命令を受けた場合には命令を受けた日から5日以内に、第2項による命令を受けた場合には命令を受けた日から10日以内に、第4項による命令を受けた場合には命令を受けた日から15日以内にその措置結果を大統領令で定めるところにより文化体育観光部長官に通報しなければならない。

⑦文化体育観光部長官は、第1項、第2項及び第4項の命令の対象になるオンラインサービス提供者と第2項による命令と直接的な利害関係がある複製・伝送者及び第4項による掲示板の運営者に事前に意見提出の機会を与えなければならない。この場合、「行政手続法」第22条第4項から第6項まで及び第27条を意見提出に関して準用する。

⑧文化体育観光部長官は、第1項、第2項及び第4項による業務を遂行するために必要な機構を設置・運営することができる。

(以上、本条新設2009年4月22日)

第133条の3(是正勧告等)

①委員会は、オンラインサービス提供者の情報通信網を調査して不法複製物等が伝送された事実を発見した場合にはこれを審議してオンラインサービス提供者に対して次の各号に該当する是正措置を勧告することができる。

1.不法複製物等の複製・伝送者に対する警告

2.不法複製物等の削除又は伝送中断

3.反復的に不法複製物等を伝送した複製・伝送者の勘定停止

②オンラインサービス提供者は第1項第1号及び第2号による勧告を受けた場合には勧告を受けた日から5日以内に、第1項第3号の勧告を受けた場合には勧告を受けた日から10日以内にその措置結果を委員会に通報しなければならない。

③委員会は、オンラインサービス提供者が第1項による勧告に従わない場合には、文化体育観光部長官に第133条の2第1項及び第2項による命令をしてくれることを要請することができる。

④第3項により文化体育観光部長官が第133条の2第1項及び第2項による命令をする場合には、委員会の審議を要しない。

(本条新設2009年4月22日)

第134条(公正な著作権物利用環境造成事業<改正2009年4月22日>)

①文化体育観光部長官は、著作権が消滅した著作物等に対する情報提供等著作物の公正な利用を図るために必要な事業をすることができる。(改正2009年4月22日)

②第1項による事業に関して必要な事項は大統領令で定める。(改正2009年4月22日)

③削除(2009年4月22日)

第136条(権利の侵害罪)

①著作財産権その他本法により保護される財産的権利(第93条の規定による権利を除外する)を複製・公演・公衆送信・展示・配布・貸与・二次的著作物作成の方法で侵害した者は5年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金に処すかこれを併科することができる。

②次の各号のいずれか一に該当するものは3年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金に処すかこれを併科することができる。(改正2009年4月22日)

1.著作人格権または実演者の人格権を侵害し著作者または実演者の名誉を毀損した者。

2.第53条及び第54条(第63条第3項、第90条、第98条及び第101条の6第6項により準用される場合を含む)による登録を偽ってした者。

3.第93条の規定により保護されたデータベース製作者の権利を複製・配布・放送または伝送の方法で侵害した者。

4.第124条第1項の規定による侵害行為と見るべき行為をした者。

5.業としてまたは営利を目的として第124条第2項の規定により侵害行為と見るべき行為をした者。

6.業としてまたは営利を目的として第124条第3項の規定により侵害行為と見るべき行為をした者。但し、過失により著作権または本法により保護される権利侵害を誘発または隠匿するという事実を知らなかったものを除く。

第137条(不正発行の罪)

次の各号のいずれか一に該当する者は1年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金に処する。(改正2009年4月22日)

1.著作者でない者を著作者として実名・異名を表示して著作物を公表した者。

2.実演者でない者を実演者として実名・異名を表示して実演を公演または公衆送信した複製物を配布した者。

3.第14条第2項の規定に違反した者。

4.第105条第1項の規定による許可を受けないで著作権信託管理業をした者。

5.第124条第4項の規定により侵害行為と見るべき行為をした者。

6.自身に正当な権利がないことを知りつつ故意に第103条第1項または第3項の規定による複製・伝送の中断または再開要求をしてオンラインサービス提供者の業務を妨害した者。

7.第55条の2(第63条第3項、第90条、第98条及び第101条の6第6項により準用される場合を含む)に違反した者。

第138条(出所明示違反等の罪(改正2009年4月22日))

次の各号のいずれか一に該当する者は500万ウォン以下の罰金に処する。

1.第35条第4項の規定に違反した者。

2.第37条(第87条及び第94条の規定により準用される場合を含む)の規定に違反し出所を明示しなかった者。

3.第58条第3項の規定に違反して複製権者の表示をしなかった者。

4.第59条第2項の規定に違反した者。

5.第105条第1項の規定による申告をしないで著作権代理仲介業をしたり、第109条第2項の規定による営業の閉鎖命令を受けて継続してその営業をした者。

第140条(告訴)

この章の罪に対する公訴は告訴がなければならない。但し、次の各号のいずれか一に該当する場合にはその限りでない。(改正2009年4月22日)

1.営利のために常習的に第136条第1項及び第136条第2項第3号に該当する行為をした場合。

2.第136条第2項第2号・第5号及び第6号、第137条第1号ないし第4号、第6号及び第7号と第138条第5号の場合。

3.営利を目的として第136条第2項第4号の行為をした場合(第124条第1項第3号の場合には被害者の明示的意思に反して処罰することができない)。

第141条(両罰規定)

法人の代表者や法人または個人の代理人・使用人その他の従業員がその法人または個人の業務に関してこの章の罪を犯したときには行為者を罰する他その法人または個人に対しても各該当条の罰金刑を科する。但し、法人または個人がその違反行為を防止するために該当業務に関して相当な注意と監督を怠らなかった場合にはその限りでない。(改正2009年4月22日)

第142条(過怠料)

①第104条第1項による必要な措置をしなかった者には3000万円ウォン以下の過怠料を賦課する。(改正2009年4月22日)

②次の各号のいずれか一に該当する者には1000万ウォン以下の過怠料を賦課する。(改正2009年4月22日)

1.第106条による義務を履行しなかった者。

2.第112条第4項に違反して韓国著作権委員会の名称を使用した者。

3.第133条の2第1項・第2項及び第4項による文化体育観光部長官の命令を履行しなかった者。

4.第133条の2第3項による通知、同条第5項による掲示、同条第6項による提供をしなかった者。

③第1項及び第2項による過怠料は大統領令で定めるところにより文化体育観光部長官が賦課・徴収する。(改正2009年4月22日)

④削除(改正2009年4月22日)

⑤削除(改正2009年4月22日)

(記述、条文翻訳 弁護士高初輔)

関連記事

  1. 弁護士による韓国法律情報5 【韓国国際私法1】
  2. 弁護士による韓国法律情報13 【韓国商法(会社法)4】
  3. 弁護士による韓国法律情報 【韓国著作権法1】
  4. 弁護士による韓国法律情報 【韓国著作権法2】
  5. 弁護士による韓国法律情報6 【韓国不動産実名法1】
  6. 弁護士による韓国法律情報4 【韓国商法(会社法)1】
  7. 弁護士による韓国法律情報8 【韓国商法(会社法)2】
  8. 弁護士による韓国法律情報11 【韓国商法(会社法)3】
PAGE TOP