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弁護士による韓国法律情報14 【理事の選任、辞任、解任について・韓国商法(会社法)5】

※注意事項 下記の韓国法律情報を作成した時期により、既に法令や判例が改正・変更されていることもありますので、実際の事案に下記韓国法律情報を利用する時には必ず当事務所にご相談ください。下記情報を利用した結果についていかなる責任も負うことは出来ませんので、その点ご了承のうえ利用して下さい。

株式会社の理事(取締役。以下同じ)は株主総会により選任されます(韓国商法382条1項)。原則として理事の数は3名以上でなければなりませんが、資本金総額が10億ウォン未満の会社は1名または2名にすることができます(383条1項)。

代表理事(代表取締役。以下同じ)は、理事会で選定されるのが原則ですが、定款により株主総会で選定する旨定めることができます(389条1項)。このようにして選任、もしくは選定された理事や代表理事は、会社登記にその氏名、または氏名、住所が記載されることになりますが、その就任登記に必要な書類は、株主総会議事録、就任承諾書、印鑑証明書、住民番号証明書です。

選任された理事の任期は3年を超えることができません(383条2項)。理事の任期が何年であるかは、理事を解任した場合に重要な問題として登場します。例えば任期3年の理事が1年で解任された場合、解任に正当な理由がなければ残存期間2年間の報酬等が賠償されなければなりません(385条1項)。この点から、残りの任期が1年なのか2年なのかということは、現実的に極めて重要な問題となり得ます。この場合、商法の規定と同じく「理事の任期は3年を超過することができない」と定款で定めた場合、その任期は3年となるわけではありません。もちろん定款で「理事の任期は3年とする」と定めていれば、理事の任期は3年となります。

なお、理事の解任には株主総会の特別決議(出席株主の議決権の3分の2以上で、かつ発行株式総数の3分の1以上の賛成:434条)が必要です(385条1項)。解任された理事は、任期満了前に解任されたことによって被った損害の賠償を請求できるわけですが、ここで損害の中に含まれるのは、商法388条所定の報酬(定期的に支給される報酬及び退職慰労金。慰謝料や賞与金は含まれないものと解されています。)です。解任登記に必要な書類は、株主総会議事録です。辞任登記には辞任書、印鑑証明書が必要で、重任登記には株主総会議事録があれば足り、その他就任承諾書面等は不要です。任期満了による退任登記は、特別な書面は必要ありません。

なお、以上の株主総会議事録には公証を受けなければいけません。この公証を受ける時に、一般的に現在の会社の登録印鑑が必要です。

(記述 弁護士高初輔)

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